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4-1 ウイイルス感染を防ぐ                                                                               (静岡県立大学薬学部教授 山田 浩)  

緑茶にはインフルエンザの原因となるウイルスや小児の風邪の原因となるウイルスに直接作用して、これらのウイルスの感染を無力化する成分が含まれています。茶カテキンはその代表です。インフルエンザウイルスは、ウイルス粒子の表面からスパイク状に突き出した2種類のタンパク質を利用して喉や鼻腔の細胞に感染します。茶カテキンは、スパイクタンパク質に直接作用して、その働きを抑えることでインフルエンザウイルスの感染を防ぎます。茶カテキンの中でも特にエピガロカテキンガレート(EGCG)が強い作用を示すことが明らかになっています。また、茶カテキンとは異なりますが、乾燥茶葉中に0.5程度含まれているストリクチニンと呼ばれる成分も、インフルエンザウイルスや小児の風邪の原因となるウイルスの感染強力に抑えることが明らかになってきました。ストリクチニンの作用は茶カテキンとは異なっていて、ウイルス膜と細胞膜が結合するのを邪魔することによって、ウイルスの感染を防ぐと考えられます。

4-2 うがいのすすめ

インフルエンザの予防対策 インフルエンザは、主に冬季になると猛威を振う急性の重症上気道感染症です。感染はインフルエンザウイルスによって起こり、飛沫や接触により流行が拡がります。感染力が非常に強く、肺炎、脳症に進展することもあり、その予防対策は非常に重要です。インフルエンザの予防対策には、ワクチンの接種、手洗い、マスクの着用、うがいの励行などがありますが、どの方法を取ってみても万全とはいえません。このような予防対策に加え、最近、茶カテキンでうがいすることや、緑茶を飲んでインフルエンザを予防しようという試みが注目されています。茶カテキンのうがいによるインフルエンザ予防効果 茶カテキンは、インフルエンザウイルスの表面にある突起(スパイク)に結合し、宿主細胞表面へのウイルスの吸着を阻害して感染を防ぎます。この効果は、インフルエンザウイルスの型にはよらないといわれています。 茶カテキンのうがいによるインフルエンザ予防効果を調べるために特別養護老人ホームの入所者を対象とした臨床研究が行なわれました。緑茶カテキン抽出物(総カテキン濃度200μg/mL市販されている通常の緑茶ペットボトル飲料の約半分の濃度)で1日3回、3ヶ月間うがいをした結果、水のうがいと比べて、ンフルエンザの発症が減少したことがわかりました。緑茶の飲用によるインフルエンザ予防効果 緑茶にはカテキン以外にも、テアニン、ビタミンCといった感染に対する免疫力を高める成分が含まれていますので、緑茶の飲用によるインフルエンザ予防効果も十分期待されます。実際、静岡県茶産地の菊川市の全小学校児童を対象とした疫学調査では、1日1~5杯の緑茶を飲む習慣をもつ児童は、1日1杯以下の場合と比べてインフルエンザの発症が少ないことがかりました。


免疫機能の調節                              (独)農研機構 野菜茶業研究所 主任研究員 物部真奈美)

5-1 免疫力の賦活 冬が近づくと誰もが気になる風邪やインフルエンザ。生体は、免疫系の活性と抑制のバランスをうまく制御することにより、病原体が体内に侵入するのを防いでいます。しかし、様々な原因で免疫能力が低下する、すなわち病原体に対するバリアが弱まると、感染症にかかる危険性が高くなります。粘膜免疫系の働きを良くするエピガロカテキン(EGC) 呼吸器や消化器などの外界と接する粘膜は、病原体の主な感染経路となっています。粘膜免疫系は、病原体が粘膜から侵入してくるのを防いでいる免疫システムであり、生体防御の最前線ともいえます。カテキンの1種であるEGCには粘膜免疫系の働きをよくする効果があることが確認されています。しかし、このEGCの働きは、エピガロカテキンガレート(EGCGによって弱められてしまいます。熱水で緑茶を淹れるとEGCG浸出しやすくなるため、EGCの効果が弱まってしまいます。冷水で緑茶を淹れる(水出し緑茶)と、浸出液中のEGCGが少なくなり、EGCの効果が発揮されやすくなります。粘膜免疫系を活性化して病原体の侵入を防ぐためには、冷水で淹れたお茶を飲むのがよさそうです。

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Zeitschrift  März 2019

Reisebericht Teereise 2019 nach Uji und Shizuoka

Heft_Maerz_2019

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